ジェモテラピー

ジェモテラピー
Gemmothérapie/Gemmotherapy

ジェモテラピーの歴史

「ジェモテラピー」の「ジェモ」は、ラテン語の「gemmae」に由来します。この単語には「新芽、つぼみ」という意味と「宝石」という2つの意味があります。寒い冬を経て春先に芽吹く新芽は、生命力が凝縮された宝石のように貴重な存在と言えます。

中世の時代から、幾つかの木の芽は治療のために使用されていました。
1950年代から1960年代にかけて、ベルギーのポール・ヘンリー医師は植物の新芽を使った研究を行い、この新しい療法を「Phytoembryothérapie(フィトアンブリオテラピー/植物胚療法)」と名付けます。
その後、1970年代にフランスにおいて、ホメオパシー医師であり、薬剤師でもあったマックス・テトー医師により研究が進められ、新芽を使った療法は「ジェモテラピー」と呼ばれるようになりました。その後、ジェモテラピーは自然療法の中に取り入れられるようになっていきます。現在もジェモテラピーについての研究や開発が進められています。

ジェモテラピーに必要なもの

ジェモテラピーでは植物や樹木、低木の新しい芽やつぼみ、細根などを使います。フィトテラピーが葉や花、樹皮といった植物の全体や一部を使用するのに対し、ジェモテラピーでは植物の胚組織を使用します。胚組織にはビタミンや微量元素、ミネラルやホルモン、その他の有効成分が豊富に含まれています。
新芽やつぼみは、主に成長エネルギーが最も高まる2月の終わりから春にかけて収穫されます。収穫した新鮮な芽を水、アルコール、グリセリンの混合物の中に約3週間浸した後で濾過し、抽出液を作ります。抽出液には単体の植物で作られたもののほか、複数の種類のエキスをブレンドしたものもあります。

フランスにおけるジェモテラピー

植物の新芽やつぼみを用いた製品は、薬局や「Herboristerie(エルボリストリ)」というハーブ専門店で購入することができます。また、BIOショップでも販売されています。

新芽の有効成分が凝縮された高濃度の抽出液を水で希釈して飲むことによって、日々の不調改善を図り、日常的なセルフケアを行うことができます。
妊娠中の女性や子どもでも飲めるよう、アルコールを含まないタイプの抽出液もあります。その他、スプレータイプや新芽の有効成分にハーブやアロマの成分などを配合したシロップやグミといった製品もあります。

ジェモテラピーは子どもから大人まで幅広い年齢層で安心して利用できる植物療法ですが、一部の新芽には薬との併用や摂取に注意が必要なものがあります。
一般的に、高濃度の抽出液はアルコールを含むため、妊娠中及び授乳中の女性や乳幼児(3歳未満)には推奨されていません。アルコールを含まないタイプのエキスであっても、事前に医師に相談することが推奨されています。また、ホルモン作用のある新芽のエキスは、妊娠中及び授乳中の女性やホルモン依存性疾患がある場合には推奨されません。その他、心臓病や高血圧、出血性疾患等の持病がある場合に禁忌とされるものもあります。摂取する前に、医師や薬剤師、自然療法士などに相談することが推奨されています。

ジェモテラピーの効果

ジェモテラピーで用いられる新芽には様々なものがあり、得られる効果も異なります。主なものにカシスやイチジク、ローズマリー、栗、クルミ、リンデンなどがあります。

例えば、万能と言われるカシスの新芽には抗炎症作用があり、リウマチや捻挫などに効果的です。また、鼻炎や気管支炎などの慢性アレルギーの症状を緩和してくれます。老廃物の排出を促したり、活力を与え、免疫力を高める効果もあります。抗菌作用や抗ウイルス作用もあるため、インフルエンザなどの季節性疾患の予防にも役立ちます。

イチジクの木のつぼみには鎮静効果や抗ストレス作用があります。神経のバランスを整え、心を落ち着かせてくれるため、睡眠効果を高めてくれます。

ローズマリーの新芽には肝臓の解毒作用があります。また抗酸化作用によって肝臓を保護してくれる他、アンチエイジングの効果も期待できます。

単体植物から作られた新芽の抽出エキスを摂取するほか、いくつかの抽出エキスを組み合わせて摂取したり、ブレンドされたエキスを摂取する方法もあります。複数の新芽を組み合わせることによる相乗効果で、有効性をより高めることができる場合もあります。

医療との関係

アロマテラピーやフィトテラピーの方がより一般的ではありますが、ホメオパシー医師や植物療法の専門知識を備えた医師、また自然療法士などにより、ジェモテラピーが代替医療として取り入れられることもあるようです。主に体内の毒素の排出や解毒、関節炎やアレルギー症状の緩和、免疫力の強化、睡眠の改善や疲労回復などを目的として処方されます。

また、ジェモテラピーはフィトテラピーやアロマテラピー、ホメオパシーといった他の療法と併用することもできます。
ジェモテラピーは新芽の抽出液を水に希釈して簡単に経口摂取できること、そして薬の副作用等を心配しないで良いという点から、犬や猫などのペットや、馬や山羊といった動物の治療にも活用されているようです。

日々の生活での取り入れかた

ジェモテラピーでは新芽の有効成分が濃縮された抽出液を経口摂取します。

摂取用量や摂取回数は抽出液の種類や製品によって異なります。一般的な療法としては、食事の前または後にコップ1杯の水で新芽のエキスを希釈して飲みます。3週間継続して摂取し、その後1週間は身体を休める期間を取ります。必要であればさらに継続することが可能で、数か月継続することが推奨されています。

日本におけるジェモテラピー

アロマテラピーやフィトテラピーに比べ、新芽やつぼみの成分を用いるジェモテラピーは日本ではまだポピュラーではありませんが、今後どのような広がりを見せるのか楽しみな分野です。

ジェモテラピーで使用する新芽の抽出エキスはヨーロッパからの輸入製品がシェアを占めていますが、最近では日本の植物から作られた日本人向けのジェモテラピー製品も販売されています。
ジェモテラピーについては、ジェモテラピーの専門スクールや講座などで学ぶことができます。また、新芽の種類や新芽の効果について学んだり、ジェモテラピーを体験することができる1日体験講座もあります。

ジェモテラピーの費用

新芽の抽出エキスは、ジェモテラピーや植物療法の専門店で購入できます。抽出エキスには単体植物から作られたものと複数の植物をブレンドしたものがあり、一般的に15mL、30mL、50mLといった容量で販売されています。濃縮度合いや摂取量、摂取方法が製品によって異なるため価格もまちまちです。
例えば、濃縮タイプの抽出液15mlであれば、約3週間の使用を目安とし、価格は3,000円〜4,000円前後となっています。濃縮タイプと希釈タイプで値段が異なる一方、アロマテラピーで用いられる精油のように、抽出された植物によって値段に大きく開きが出るということはないようです。

ジェモテラピーと資格

ジェモテラピーの知識を活かして働くために、国家資格は必要ありません。しかし、新芽がもたらす作用や安全性をはじめ植物療法についての十分な知識を習得していることが求められます。民間団体がジェモテラピーに関する講座を行ったり、資格の認定を行っています。

ジェモテラピーに関わる仕事としては、ジェモテラピストとして活躍する他、専門スクールや教室で講座の講師をしたり、ジェモテラピーの製品開発や製品販売に携わるという道もあります。

ジェモテラピーは、アロマテラピーやホメオパシー、カイロプラクティックなど他の療法と併用して行うことができる療法です。また医療や介護、美容といった分野にも取り入れることが可能であるため、ジェモテラピーの知識を活用することで、キャリアアップやサービスの向上に役立てることもできるかもしれません。

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