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ミツバチの恵み・ビーポーレンのえらび方とフランス流自然派インナーケア

私たちの生活や生態系に多くの恩恵をもたらしてくれるミツバチ。ローヤルゼリー、プロポリス、そしてハチミツ、花粉団子など、ミツバチが作り出す全てのものは「天然の薬局」と形容されるほど、抗酸化作用が高く栄養価も豊富。私たちの健康をサポートする素晴らしいものばかりです。今回は、フランスの植物療法をベースに、簡単に生活に取り入れることのできるビーポーレン(花粉団子)を紹介します。

ビーポーレン(花粉団子/花粉荷)とは

花粉は働くミツバチの主食であり、巣の外と中で行われる膨大な仕事量を遂行するために必要なパワーを供給してくれるものです。一般的にハチが作り出すものとして最もよく知られているのはハチミツでしょう。フランスでも日本でも、食卓や店頭でおなじみのハチミツですが、しかし、栄養補給を目的として取り入れる場合、カロリーが気になるという方もきっと多いのではないでしょうか。

そこで注目したいのがビーポーレン(花粉団子/花粉荷)です。ビーポーレンは働きバチが花から集めた花粉を、自分たちの脚に付けて運んで巣に持ち帰る際に作られるものです。ミツバチは花粉に蜜やその他の酵素を加えて団子を作り、自身の食糧として巣に蓄えます。たんぱく質やビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、フラボノイドなどをバランスよく含み、栄養価が非常に高いことでも有名。人が生きていく上で必要な栄養素が、バランスよく含まれていることから「パーフェクトフード」と呼ばれることもあります。

生花粉と乾燥花粉の違い

採取されたビーポーレンは、菌類の発生を避けるために冷凍、もしくは乾燥のいずれかの過程を経て市販されます。そのため、フランスのビーポーレンは、冷凍庫で保存する生花粉タイプと、瓶に入った乾燥花粉の2種類があります。
栄養面で特におすすめしたいのは、生花粉によるビーポーレンです。フレッシュな状態のものの場合、収穫後に冷蔵し、花粉を新鮮な状態で安定させ、栄養上の利点を保持できるようにしています。乾燥した花粉よりも乳酸菌発酵物が数十倍以上濃縮されており、ビタミンがはるかに豊富なものも存在します。もちろん、乾燥花粉の場合も栄養価は十分高いですが、乾燥の過程で生きている酵素や抗酸化成分がやや失われることもあるようです。

生花粉は温度変化に敏感なため、冷蔵庫(製品によっては冷凍庫)での保存が必須で消費期限が短い場合があります。したがって、季節の変わり目や体調にブーストをかけたいときを狙って抗炎症作用が高く、粘膜の保護や修復を行う生花粉をピンポイントに取り入れるのも良いでしょう。
一方、シーンを問わず手軽に取り入れたい場合は乾燥タイプを常備しておくと良いでしょう。どちらのタイプも素晴らしい効果があるため、ぜひ自宅に置いておくことをおすすめします。

なお、日本ではまだ生花粉によるビーポーレンは浸透しておらず、乾燥タイプのビーポーレンが一般的です。しかし、一部の養蜂メーカーでは、要冷蔵と表記されたビーポーレンが販売されています。このような製品であれば、フランスで販売されている生花粉タイプに近しいものといえるでしょう。栄養素や品質を保つための包装や保存法が重要ですので、購入前に確認しましょう。

サプリメントよりもビーポーレンを

タンパク質は、アミノ酸という基本単位から成り立っており、アミノ酸は特定の順序で互いに連結しています。アミノ酸は約20種類あり、そのうち8種類(一部の文献では9種類)は体内で生成できないため、必須アミノ酸と呼ばれます。これらの必須アミノ酸は、食物から摂取する必要があります。
ビーポーレン(花粉)には、必須アミノ酸を含む18種類のアミノ酸が含まれており、健康に良い効果が期待できます。ビーポーレンを摂取することで、タンパク質の源として利用できるだけでなく、免疫力の向上やエネルギー代謝の促進、筋肉の修復や生成、妊活などにも役立ちます。

花粉は簡単に摂取することができます。サラダや食材にふりかける、あるいはヨーグルトやスムージーに入れると溶けて、ほんのり風味がでます。
先述の通り、花粉にはタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルが含まれています。時に偏ったり不足したりする食生活を補完する優れた製品であるため、フランスの自然療法でも積極的に推奨されています。このほかにも、偏食の子供や食生活を見直している方にも適しています。

なお、季節ごとに新鮮な花粉を摂取するのが理想的です。大人は大さじ1杯、子どもは小さじ1杯を毎日、できれば朝食時に6週間続けてみましょう。

エイジングケアにも。様々なビーポーレンの種類

ビーポーレンが持つ栄養素は花の植物学的起源や季節、気候条件によって異なります。例えば、シスタス(ゴジアオイ/ロックローズ)由来の花粉は、消化器系に働きかけることで知られており、免疫力を高める効果もあります。一方、栗の花粉は、子供や妊婦、スポーツ選手、高齢者に特に有益な栄養価があります。ミネラルが豊富で、健康維持に役立つとされています。
しかし、ビーポーレンはどの製品にも有益な成分が多く含まれているため、まずは特定の種類にこだわらず、その味わいを楽しむことから始めるのがおすすめです。

アレルギーがある場合は専門家へ相談を

春に花粉症がある方であっても、一般的にビーポーレンは安心して食べることができる食材とされています。風によって運ばれる花粉を「風媒花粉」、昆虫によって運ばれる花粉を「虫媒花粉」といいますが、後者は、他の食品と比較してもアレルゲン性は高くないといわれています。

しかし、蜂製品にアレルギーがある人にとってはビーポーレンは禁忌とされています。また、喘息や複数のアレルギーを持つ人にも推奨されていません。医師や専門家と相談してから摂取を検討してください。

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