クレイテラピー

クレイテラピー
Argilothérapie/Clay therapy

クレイテラピーとは、クレイの力で心身を癒やすとともに、治療に役立てていく自然療法です。粘土療法ともいわれます。
クレイとは粘土鉱物のことで、フランス語では「Argile(アルジル)」といいます。
クレイにはミネラルが豊富に含まれており、高い美容効果が期待できます。

クレイテラピーの歴史

クレイは古くから、様々な形で人々の生活の中に存在してきました。
下痢や腹痛、日焼けの治療にクレイを用いたり、衣類の洗濯や歯磨き粉として利用したり、また土地によっては粘土を食する習慣もあったといわれます。ミネラル成分を多く含み、高い吸収性や吸着性、浄化作用や脱臭効果のあるクレイは、ミネラルの補給や体内の解毒、食物の毒素の除去など、人々の生活の知恵として様々な場面で利用されてきました。

クレイは陶器や絵画、彫刻といった工芸やアートの分野で、そして建造物の材料として利用されるなど、現在も幅広く活用されています。

医療の面では赤痢やコレラなど、感染症の治療にクレイが役立てられた時代もありました。現在においては、クレイテラピーは代替医療として位置づけられるとともに、美しく健康であるための自然療法として、日常的な美容ケアからスパやエステティックサロンでの本格的な施術に至るまで、美容を目的としても広く親しまれています。

クレイテラピーに必要なもの

長い年月をかけて岩石が風化し生成されたものが粘土鉱物です。これを天日干しにし、さらに細かく砕いた粒子をクレイテラピーでは使用します。
クレイは様々な鉱物からなります。主な成分には、シリカ(ケイ素)やアルミニウム、マグネシウムやカルシウム、鉄などが挙げられます。

クレイは一般的に色によって分類され、含有するミネラル成分によって色が異なります。グリーンやホワイト、イエロー、レッド、ピンクなど、数種類の色があります。また、クレイは世界各地で採掘されており、場所によってミネラル成分が異なることから、産地による分類がされたり、より正確に鉱物学上の分類をすることもあります。主なものには、モンモリオナイト、カオリン、イライトなどがあります。

クレイを選ぶ際には、有害物質を含まない、安全で良質なクレイを選ぶことが重要です。
粉末状のクレイのほか、クレイを原料にしたボディパックやヘアパック、スキンケア製品や化粧品、シャンプーや入浴剤、石鹸、歯磨き粉など様々なクレイ製品があります。

フランスにおけるクレイテラピー

フランスでは、クレイやクレイ製品を薬局や「Herboristerie(エルボリストリ)」というハーブ専門店で購入することができます。BIOショップでも販売されています。
フランス産のクレイは、フレンチクレイとも呼ばれ世界でも高い人気を誇っています。
フランス中央部に位置するオーベルニュ地方では、モンモリオナイト、イライト、カオリンが混ざり合った良質なクレイが採掘され、またフランス北西部のブルターニュ地方は、カオリンを主な成分としたホワイトクレイの産地として知られています。
フランスのクレイメーカーによって、フランス産クレイの他、様々な種類のクレイ製品が開発されています。化粧品からボディーケア商品、ヘアケア商品、バス用品、そして医療用品など、クレイは治療の目的で用いられる他、スキンケアやボディケアなど、美容やリラクゼーションの目的でも広く利用されています。

クレイテラピーの効果

クレイには非常に優れたデトックス効果があります。体内の毒素を排出し、血液循環を良くし、代謝を促進してくれます。他にも抗炎症作用や鎮痛作用、抗菌作用や消臭効果があります。
クレイの効果は含有されるミネラル成分によって異なります。

例えば、フランスで最もよく使われるグリーンクレイはミネラルが豊富で、吸水性と吸着性に優れ、毒素を吸収して排出してくれます。
適した肌のタイプは、脂性肌やニキビ肌です。
刺激は強めですが、クレンジング効果が高く美白効果もあり、本格的な施術用にスパなどでも利用されています。
また、グリーンクレイは医療用としても用いられるクレイです。クレイの抗炎症作用により、捻挫や関節の痛みを和らげ、筋肉の疲労を軽減し、傷や火傷の症状を治癒してくれます。

日本ではクレイを経口摂取することはほとんどなく、クレイパックや湿布などとしての利用が一般的ではありますが、その場合でもクレイを使用する際には、使用上の注意事項を良く守り、安全な使用を心掛けましょう。

医療との関係

フランスでは皮膚に塗布する外用薬や経口摂取する内服薬として、クレイが治療や症状緩和のために利用されています。主に医療用として用いられているのは、グリーンクレイです。

グリーンクレイには抗炎症作用や鎮痛作用があり、変形性関節症やリウマチ、腰痛といった関節痛の痛みを和らげます。また、手首足首の捻挫や打撲、傷の治療のためにクレイを湿布として用いたり、クレイを成分とした軟膏やクリームを使用することもあります。
タラソテラピーや温泉療養施設でもクレイテラピーが用いられています。

また、胃腸のトラブルや下痢などの症状緩和のために、クレイを水に希釈して経口摂取することもあるようです。胃腸障害や過敏性腸症候群といった消化器疾患の治療に、クレイを成分とする製剤が処方されたり、セルフメディケーションとして利用されることもあります。

一方で、クレイの一部の効能や効果については、科学的な証明が不十分であるともされており、また、不純物や有害物質の含有が危惧されているのも事実です。
特に経口摂取する場合には、内服用の安全なクレイを選ぶのはもとより、十分な注意が必要です。便秘や腸閉塞の症状がある場合などには服用は推奨されません。また妊娠中及び授乳中の女性や乳幼児、高血圧等の持病がある場合には禁忌となっています。必ず事前に医師に相談することが推奨されています。

日々の生活での取り入れかた

クレイテラピーには色々な方法があります。代表的なものといえば「クレイパック」。
お肌のデトックスやアンチエイジングの他、肌トラブルの改善や、美肌、美白効果も期待できます。
肌の不純物を取り除き、余分な皮脂を調整してくれるグリーンクレイ。酸化鉄を含み、血行を促進するレッドクレイ。皮膚の浄化や肌の疲れを癒やすイエロークレイなど、効果も様々です。
クレイの特性や求める効果、そして適する肌のタイプなどから使用するクレイを選びましょう。

ホワイトクレイは微粒子からなり、刺激が少なく肌に優しくなじみ、スキンケアとしてよく利用されています。しわの改善やアンチエイジングの効果もあります。初めてクレイテラピーを行う方にお勧めのクレイです。
ホワイトクレイとレッドクレイをブレンドしたピンククレイも、肌に優しく敏感肌の方に適しています。肌の再生を促し、頭皮ケアにも最適です。
初めての方は、まずはホワイトクレイやピンククレイから始めてみるとよいでしょう。

使用するクレイが決まったら、粉末のクレイを容器に入れ、水やフローラルウォーターを注ぎ混ぜ合わせ、クレイのペーストを作ります。クレイのペーストは、顔や首、デコルテのパックや全身パックとして利用できます。
クレイはクレイパックの他にも、湿布やクレイバスなどとしても利用できます。
またペースト状のクレイ製品を利用すれば、より手軽にスキンケアが行なえます。

日本におけるクレイテラピー

クレイテラピーは日本では美容やリラクゼーションを目的として利用されることが多く、クレイを使ったフェイスパックやボディパックはクレイテラピーの専門サロンをはじめ、エステティックサロンやスパ施設などでも取り入れられています。
日本でもクレイが採掘されており、国産のクレイや、国産クレイを使った化粧品や石鹸、入浴剤といったクレイ製品も販売されています。
また、クレイテラピーのリラクゼーション効果や癒やしの効果に着目し、医療や介護の現場への活用も期待されています。

クレイテラピーの費用

クレイやクレイ製品はクレイの専門店や自然療法の専門店で購入できます。
クレイは100gや200g、1kgといった単位で販売されており、価格は200gで3,000円前後です。主にクレイの粒子の大きさや容量によって価格が異なります。
また少量のクレイやすぐに利用できるペースト状のクレイが、お試し用として1,000円前後で販売されている場合もあります。
他にもスキンケア用品やヘアケア商品、石鹸などがあり、日常的な美容ケアとして取り入れることが可能です。

クレイテラピーを体験したいという場合には、クレイテラピー専門のサロンで体験することができます。またアロママッサージなど他のテラピーのトリートメントメニューの中で、クレイパックが体験できるコースもあります。

クレイテラピーやクレイについて学んでみたいという場合には、専門スクールや教室で学ぶこともできます。クレイテラピーについての入門講座からより実践的なコース、1日体験講座など、学びたいレベルや目的に応じて選ぶことができます。

クレイテラピーと資格

クレイテラピーの知識や技術を活かすためには、クレイテラピストやインストラクターとして活躍するほか、講座やセミナーの講師として活動したり、クレイテラピーの教室や専門サロンを開業するという道もあります。

クレイテラピストとして働くために、国家資格は必要ありません。しかし、クレイがもつ作用や安全性についての十分な知識や、ボディパックやフェイスパックなどの熟練した技術が求められます。クレイテラピー専門のスクールや美容の専門学校で学んだり、通信教育を利用する方法もあります。また、民間団体がクレイテラピーに関する講座を行ったり、資格の認定を行っています。

その他、クレイパックは既存のコースメニューに導入したり、新たにオプションとして取り入れることもでき、エステティックサロンやスパ施設、ヘアサロンでの活用などの広がりもみせています。
医療や介護の現場におけるクレイテラピーの活用も期待されています。

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