パリコレ速報が示す「脱・完璧主義」。不完全さを愛する、フランス流・最新ビューティの解釈
今回は、現在開催中のファッションウィークの熱気とともに、世界の美容トレンドが「自分軸の美しさ」へと大きく舵を切った最新のトピックスをお届けします。
先月ニューヨークから幕を開け、ロンドン、ミラノへと熱狂のバトンを繋いだ「2026-27年 秋冬コレクション」。世界最高峰の舞台であるパリでの開催も、いよいよ来週10日の閉幕に向けてクライマックスを迎えています。連日、現地から届く膨大なランウェイのルックやバックステージのレポートを美容エディターとして分析する中で、今季のメイクアップとヘアスタイルには、時代を象徴する明確な「あるムード」が漂っていることに気がつきました。
それは一言で表現するならば「脱・完璧主義」へのシフトです。
「クリーンガール」から「ドラマを感じさせる不完全さ」へ
ここ数年のビューティ界では、肌も髪も隙なく整えられたクリーンで完璧な美しさが良しとされてきました。しかし今年の秋以降、トレンドはそこから少し崩れた**「ドラマを感じさせる不完全な美しさ」**へと劇的な変化を遂げようとしています。
圧倒的な情報量を持つ最新トレンドをただ鵜呑みにするのではなく、それを自身の美意識というフィルターに通し、取捨選択してカスタマイズする。これこそが、フランス人女性が息をするように実践している「トレンドとの知的な付き合い方」です。
では、この確固たる潮流の中から、私たちが明日からの日常に心地よく取り入れられる「抜け感のヒント」を3つ、どこよりも早く紐解いていきましょう。
ヒント1:コンシーラーを手放す「モーニングアフター肌」
ひとつめの驚くべき提案は、あえてのアラを残す肌づくりです。「疲れて見えるのはNG」「クマやくすみは徹底的に隠す」というこれまでの常識を覆すかのように、ニューヨークのランウェイ等で象徴的だったのが「モーニングアフター肌(朝まで楽しんだ翌朝の肌)」という概念でした。
具体的には、コンシーラーで目の下のクマや赤みを真っ白に塗りつぶすことをやめ、あえて残すのです。その代わりに、目元にふんわりとくすみピンクやシアーなベージュを仕込むことで、「気だるい可愛さ」や温かみを演出します。
実はフランスの女性たちも、もともと「少しのクマは、昨夜の時間が豊かだった証拠」として、コンシーラーで過剰に隠さない傾向があります。シミもそばかすも、自身の顔が持つ「人間らしい愛すべき表情」。この**「完璧に補正しない素肌感」**こそが、今の時代最もモダンでクールなアティチュードなのです。
ヒント2:指でぼかす「スマッジ(にじみ)メイク」
ふたつめのヒントは、パーツメイクにおける「不完全さ」です。
例えばリップメイク。今季のショーで目を引いたのが、輪郭をきっちりと縁取るのではなく、指でポンポンとラフにぼかした「スマッジ(にじんだ)リップ」です。まるで情熱的なキスの後のような、計算された隙のある赤リップが、大人の余裕を醸し出します。
アイメイクにおいても、パリジェンヌを象徴するようなルックが提案されていました。リキッドアイライナーで鋭く跳ね上げるのではなく、柔らかなペンシルで描き、あえて綿棒でぼかしたようなスモーキーなライン。少し滲んでいるくらいのアンニュイさが、頑張りすぎない洗練を生み出しています。
ヒント3:生命力が溢れる「ルーズなボリュームヘア」
そして最後は、ヘアスタイルの反動です。タイトに撫でつけるクリーンなヘアスタイルから一転、今季のキーワードは**「ルーズなボリューム感」**。
綺麗にとかしつけた髪ではなく、手ぐしでざっくりとまとめたようなポニーテールや、風になびいて顔まわりに後れ毛がこぼれ落ちる無造作ヘアが、ミラノやニューヨークのランウェイを席巻しました。
これはまさに、かつてのフレンチアイコン、ブリジット・バルドーの美学そのものです。「豊かな髪のボリュームこそが、お金では買えない最高のジュエリー」。髪の小さな欠点や後れ毛を気にせず、無造作にかき上げた髪から溢れ出す「生命力」が、最新のランウェイで鮮やかに蘇っています。
トレンドの根底にある「自分を愛する」というメッセージ
クマを隠さない「寝不足風の素肌」
指でラフにぼかした「にじませリップ&アイライン」
手ぐしでかき上げたような「ルーズなボリュームヘア」
2026-27年秋冬のランウェイが私たちに力強く語りかけていること。それは、「美容はもう、自身の欠点を隠すためのものではない」という事実です。もちろん、ランウェイのルックをそのまま日常に持ち込む必要はありません。大切なのは、その根底に流れる「本来の自分の姿を愛する」というメッセージを受け取り、自身のライフスタイルに合わせてカスタマイズすることです。明日の朝は、コンシーラーで必死にクマを隠すのを一度お休みしてみませんか。「少し疲れているけれど、これも人間らしい私」と微笑んで、お気に入りのリップを指でラフに乗せてみる。
その小さな「引き算の選択」ができたとき、あなたは最新のトレンドを自分軸で着こなす、最高にモダンで美しい女性へとアップデートされているはずです。
※日仏ビヤンネートル協会では、最新のトレンドを大人の教養としてインプットし、フランスのエスプリ(引き算の美学)を用いて「自分軸」へとカスタマイズするメソッドを発信しております。美容やファッションを通じたウェルビーイングをテーマとする企業様向けの講演やセミナーも承っております。情報の波に飲まれない、本質的な美しさをぜひ共に探求しましょう。






















































