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『自然体』か『技術』か。フランス流エイジングケアとアメリカの最先端美容医療を比較

近年、日本でも「美容医療」や「エイジングケア」への関心がますます高まっています。ヒアルロン酸やボトックスなどのプチ整形から、本格的なフェイスリフトや豊胸手術まで、選択肢は多岐にわたります。しかし、そのあり方や価値観は国によって実にさまざま。
ここでは、美容大国アメリカと自然体の美を重視するフランスを例に、エイジングケアや美容医療の現状、社会的背景、今後の動向を比較しながら、日本人女性にとっての“美”のあり方を探ってみましょう。

アメリカの美容医療

アメリカで進む美容医療の進化と格差

アメリカでは美容医療が非常にオープンに受け入れられており、ヒアルロン酸やボトックスなどの注射、豊胸手術など多彩な施術が行われています。いまや施術のクオリティは格段に上がり、トップクラスの美容外科医や注射の専門医であれば、自然で洗練された仕上がりが可能です。一方で、過度な施術によって顔や体が不自然になり、かえって老け見えするケースや健康被害が増えた時期もありました。技術が進歩することで選択肢は広がっていますが、常にメリットとリスクの両面があるといえるでしょう。

浮き彫りになる「三つの階層」

アメリカでは、美容医療の普及に伴って、以下のような三つの“階層”が生まれているといわれています。

1. 最高レベルの施術を受けられる人たち

経済力が高く、高額な費用をかけられるため、トップクラスの施術を継続的に受けられる層。その結果、非常に自然で若々しい外見を手に入れやすいとされています。

2. 不十分な施術や継続が難しい人たち

予算や環境の制約から十分な施術が受けられなかったり、継続できなかったりする層。仕上がりが不自然になったり、期待通りにならないケースも多いといわれています。

3. 美容医療にアクセスしない/できない人たち

そもそも美容医療を選ばない、あるいは経済的理由などで受けられない層。
今後は「美容医療をしていない=お金がない」と見なされる可能性がある点が懸念されています。

このように、若々しさや美しさが社会的評価や経済的利益に直結しやすいアメリカでは、美容医療が大きな格差や序列を生み出す要因にもなっています。

SNSと若さの呪縛

キム・カーダシアンなどのセレブやインフルエンサーが、SNSに“映える”写真を投稿し、それを資金源やビジネスチャンスにつなげる時代。「25歳の顔であること」こそが理想とされる風潮も根強く、若さを追い求めるあまり過度な施術に走るケースが後を絶ちません。
実際、アンチエイジング産業は2027年までに世界で930億ドル規模になると予想されており、「お金をかければ若さを買える」という幻想にとりつかれる若い世代が増えつつあるのです。

フランスの美容医療

フランスに見る「美の価値観」

フランスでも美容医療への関心は高まっており、ファッション誌「エル」や「ヴォーグ」における美容医療特集が増えています。ただ、アメリカのように“顔の若返り”を最重視するというより、体に対する施術のニーズが高いのが特徴。具体的には、ダイエットやデリケートゾーンのケアなどボディラインの美しさを重視する人が多いようです。
フランス人女性は、年齢を重ねることでにじみ出る雰囲気や個性を大切に考えるため、「顔を過度にいじる」ことへは批判的な目が向けられる傾向にあります。

顔への施術に対するフランス人の考え方

フランスでは、ヒアルロン酸で唇を大きく見せたり、目をぱっちりさせたりといった“つくり込み”に対して、「思慮が浅い」「中身がない」とみなされることがあります。
一方で、体の健康や機能面のケア(デリケートゾーンなど)に対しては比較的オープン。「健康的であること」や「自分の体を大切にすること」が美しさにつながるという考え方が浸透しているのです。こうした自然体の価値観が根付いている点が、フランス人女性の魅力にもつながっているといえるでしょう。

フランス政府の広告規制とメンタルケア

広告やSNS投稿の厳格な規制

フランス政府は、美容医療に関する広告やSNS投稿を厳しく制限しています。医師や医療機関がテレビCMや街頭広告を出すことは法律で禁止されており、インフルエンサーが施術をPRする行為も罰則の対象となります。違反すれば高額の罰金や逮捕にもつながるほど徹底した取り締まりが行われているのです。
こうした厳格な規制は、消費者を守るだけでなく、医師の質や技術力を維持するためにも重要な役割を果たしています。

メンタルヘルスを重視する仕組み

特に興味深いのは、若い女性がデリケートゾーンなどの施術を受けたいと相談した場合、まず心療内科やメンタルクリニックへ行くよう勧められるケースがあること。コンプレックスの背景には、自己肯定感の低さや精神的ストレスが隠れていることも多いため、フランスでは医療従事者同士が連携して総合的にサポートする仕組みを整えています。
見た目を変える施術に踏み切る前に、心の問題を解決することを優先する——これがフランス流の「美容医療」の大きな特徴と言えそうです。

美容医療の未来と日本で暮らす私たちの選択

アメリカ的風潮とフランス的価値観

アメリカのように、「お金で美しさを買う」ことが当然視される社会では、若さを保つこと自体がステータスとなり、さらなる格差や社会的圧力を生む結果につながりかねません。一方、フランスではメンタルケアや自然な老いの魅力を尊重する文化が根強く、美容医療に対しても落ち着いた目線で付き合っている印象があります。
日本はこの両極端とも言える価値観のはざまにあり、どちらにも影響を受けやすい市場であるからこそ自分自身の価値観をしっかり持つことが大切になります。

美容医療を巡るそれぞれの価値観

日本でも、美容医療を「憧れ」として積極的に受けたい人がいる一方で、人工的な美しさに対して違和感を覚える人も存在します。どちらの考え方が「正しい」ということではなく、選択肢が増えたからこそ、自分の理想やリスク許容度を明確にし、情報をしっかりと収集することが重要です。誰かの意見に左右されるのではなく、自分らしく美しくありたいという想いがあればその方法を選ぶ自由も尊重されるべきだといえます。

おわりに

今回は、アメリカとフランスの美容医療をめぐる現状や背景についてご紹介しました。最先端の技術や多様化する施術が進む中、私たちは「美しさ」や「若さ」に対してますます自由にアプローチできるようになってきています。その一方で、社会の格差や価値観の対立、新たな社会的プレッシャーやメンタルケアの必要性も生まれつつあるなど、さまざまな課題が隠れているのが現実です。
「美容医療を受けるかどうかは、あなた自身の選択」という原点に立ち返りながら、もし迷ったときにはフランスのようにメンタルケアや自然体での美を重視する姿勢、あるいは世界各国の美の価値観や考え方を取り入れてみる視点などを参考にしてみてください。 フランスの女性たちが実践する「自分の生き方や心の豊かさを大切にする」スタイルと、アメリカの持つ「常にアップデートを求める」精神の両方を上手に取り入れれば、あなたなりの理想的なエイジングケアがきっと見つかるはずです。
このサイトでは、引き続きフランスの豊かな美意識やライフスタイルを通じて、日本人女性がより自然体で輝くためのヒントを発信していきます。あなたの美しさと生き方をアップデートするお手伝いができれば幸いです。どうぞお楽しみに。

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