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水道水やコスメに潜むPFAS、フランスの厳格な対応と私たちの日常対策

近年、「フォーエバー・ケミカル」と呼ばれるPFAS(ピーファス)が、日本でも大きな注目を集めています。全国各地の水道水から基準値を超えるPFASが検出されたり、工場や軍事施設からの排水などによる土壌汚染が懸念されたりと、環境問題としても深刻な状況です。
一方、フランスをはじめとするヨーロッパ各国では、いち早くPFASに対する規制を強化し、国民の健康と環境を守るための取り組みを進めています。本記事では、フランスの事例を軸に、日本人女性が日常生活でできる対策やエコ先進国の視点を交えて、PFAS問題をわかりやすく解説していきます。

PFASとは —— 「フォーエバー・ケミカル」の正体

PFASの基本的な性質
PFASは「Per- and Polyfluoroalkyl Substances(パーフルオロアルキル化合物)」の総称で、自然界で分解されにくく体内にも長期間残留するため、「フォーエバー・ケミカル」と呼ばれます。焦げ付き防止加工のフライパンや防水加工された衣類などに広く利用されてきましたが、一部のPFASには発がん性やホルモンバランスの乱れなどのリスクが指摘されています。

日本での現状

水道水からの検出: 東京・多摩地域や沖縄の米軍基地周辺など、基準値を超えるPFASが見つかっています。
原因の一例:泡消火剤: 工場や軍事施設などで使われる泡消火剤が土壌や河川に流れ込み、最終的に水道水まで到達。
日常製品への広がり: フッ素加工の調理器具、防水機能のある衣類・化粧品、さらにはスキー板のワックスなど、多くのアイテムにPFASが含まれています。
こうした状況を受け、「いったいどこまで安全なのか?」「健康への影響は?」と不安を感じる方も少なくありません。体内に蓄積されたPFASを完全に排出する方法はまだ確立されていないため、日常生活の中での予防や意識的な選択が重要になってきます。

フランスに学ぶPFAS規制の最前線

フランスにおける厳格な規制と背景
フランスでは、国民の健康と環境保護を目的に、PFASに対する強い規制が行われています。欧州連合(EU)のREACH規則にも準じつつ、フランス国内ではさらに踏み込んだ法整備が進められているのが特徴です。

調理器具への規制: フランスの有名シェフたちは、健康面を考慮してテフロン加工のフライパンを避け、ステンレスやセラミック製品を使用することが多い。
特定製品の禁止: 2026年1月1日からは、スキー用ワックス、化粧品、衣料・靴用テキスタイルの3カテゴリーでPFASの使用が禁止される予定。
飲料水検査・汚染処理の徹底
フランス政府は定期的に飲料水を検査し、高濃度のPFASが検出された地域には迅速に対策を講じる仕組みを整えています。また、PFASを使用する工場には、汚染水の浄化処理費用を負担させるなど、企業責任を明確化しているのも大きな特徴です。
加えて、フランスの保健当局や環境保護団体が連携して、定期的に消費者へ向けた情報発信や啓発活動を行っており、多くの市民が“エコ”と“健康”を両立するライフスタイルを選択しています。

フランス女性の視点 —— “自然体の美”と環境への配慮

フランスでは、健康や環境への意識の高さが、美容やライフスタイルにも反映されています。

調理器具の選び方: 自然素材を好むフランス女性は、ステンレスやホーロー、セラミックなど、化学物質が溶け出しにくい調理器具を選ぶ傾向が強い。
オーガニックコスメの浸透: “自然体の美”を好むフランス文化が、ナチュラル系コスメやオーガニック成分の需要を後押ししている。PFASフリーの製品を選ぶ動きも広まっています。
フランス女性のこうしたライフスタイルからは、日本の私たちも、「少しずつでも環境への配慮をしながら美を追求する」という考え方を学べるのではないでしょうか。

日常生活でできるPFAS対策

3-1. PFASを含まない調理器具を選ぶ
フッ素フリーの製品: ベルギーの「グリーンパン」など、PFASフリーを謳う商品も増えてきています。
フランス式ステンレス鍋やセラミック鍋: 親しみやすく、かつ化学物質の心配が少ないのが魅力です。
3-2. 浄水器や飲料水の選択
水道水への懸念: 日本でも地域によってPFASが検出されるケースがあるため、高性能の浄水器を導入するのも有効な手段です。
ミネラルウォーターを活用: こまめに検査結果を確認し、安心できるブランドのものを選ぶと良いでしょう。
3-3. 化粧品・オーガニックコスメの選び方
PFASフリー製品を選ぶ: ウォータープルーフ機能を優先するあまり、思わぬ化学物質が入っていることも。成分表示を確認し、不安な場合は企業に問い合わせを。
オーガニックコスメブランド: フランス発のオーガニックブランドは数多く、品質や安全性に厳しい基準を設けているところが多いです。
3-4. 情報収集と発信
企業への問い合わせや要望: コスメや日用品メーカーに「PFASは含まれていますか?」と尋ね、利用者の声を届けることも大切。
SNSやコミュニティでの情報共有: ヨーロッパの事例やフランスの最新情報などをSNSで発信・共有することで、周囲の人々の意識向上につなげましょう。
私たちが目指す美とライフスタイル

フランスに学ぶ“自然体で生きる”ヒント

日本でも徐々にエコやオーガニックへの関心が高まってきています。フランス女性のように、自分の美しさと環境への負荷を同時に考える視点を持つことで、より豊かなライフスタイルを築けるでしょう。小さな習慣から始める: 毎日の食卓に使う調理器具を見直す、コスメを買うときに成分表示をチェックするなど、小さなステップでも未来を変える一歩になります。

今後の世界と日本の動向
アメリカの一部の州やニュージーランドなどでは、既にPFASへの規制が始まっています。フランスのように企業責任を追及し、消費者が正しい情報を得られる仕組みを整える国も増えるでしょう。
日本でも今後、PFASに対する法整備や大規模な規制が行われる可能性があります。「情報を自ら取りに行く姿勢」を持つことが、私たち自身の健康と美を守る鍵となるのです。

おわりに

PFAS問題は、私たち個人の力だけでは解決が難しい側面があります。しかし、フランスに学ぶ「厳格な規制と自然体の美」という考え方を取り入れながら、日常生活においてできる範囲で変化を起こすことが大切です。

✔️フッ素フリーの調理器具を選ぶ
✔️高性能の浄水器を導入してみる
✔️PFASフリーコスメやオーガニック商品を選択する
✔️企業や行政に声を届ける

いずれも小さな行動に感じるかもしれませんが、積み重なれば大きな変化へとつながります。日本人女性がフランス式の“美へのこだわりと環境への配慮”を取り入れながら、より豊かなライフスタイルを送るために——これを機に、PFASについての知識を深め、周りの人とも情報を共有してみてはいかがでしょうか。

日仏ビヤンネートル協会では、これからもフランスのライフスタイルや文化、そして日本人女性の美しさを引き出すためのヒントを、さまざまな角度からご紹介していきます。どうぞお楽しみに。

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