• HOME
  • ボディケア
  • 映画『プラダを着た悪魔2』が示す新しい美の基準。アン・ハサウェイの決断とフランス流「ストイックで心地よい」ボディメイクの美学

映画『プラダを着た悪魔2』が示す新しい美の基準。アン・ハサウェイの決断とフランス流「ストイックで心地よい」ボディメイクの美学

心と体を心地よく、美しい状態へと導くフランス式ライフスタイル「ビヤンネートル(Bien-être)」。2006年に公開され、世界中の女性たちをファッションの魔法で熱狂させた映画『プラダを着た悪魔』。その待望の続編がいよいよ今年、2026年5月1日に公開を迎えます。メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチというオリジナルキャストが再集結することでも大きな話題を呼んでいますが、公開を目前に控えた今“撮影の裏側で起きた出来事”が、世界の美容・ファッション業界に一石を投じています。
今回は、映画『プラダを着た悪魔2』の撮影エピソードを入り口に、現代の女性たちを無意識に縛る「痩せていること=美」というプレッシャーを紐解き、心と体を心地よく保つビヤンネートルな視点から、真の美しさのあり方を深掘りしていきます。

ランウェイに蘇る極端な痩身。メリル・ストリープが覚えた違和感

事の発端は、2025年9月に開催されたミラノ・ファッションウィークでのこと。特定のシーンを撮影するため、実際に現地のファッションショーを訪れたメリル・ストリープとアン・ハサウェイ。そこで彼女たちが目の当たりにしたのは、ランウェイを歩くモデルたちの痩せすぎた身体でした。メリル・ストリープは『ハーパーズ バザー』誌のインタビューで、当時の衝撃をこう振り返っています。「モデルたちが美しくて若いだけでなく、驚くほど痩せていたことにショックを受けました。ファッション業界にはびこる過度な体重基準の問題は、何年も前にすでに解決されたものだとばかり思っていたのです」。
業界全体で健康的な基準を設けるという約束が交わされたはずでしたが、トレンドの周期とともに、再び生命力を削いだような不健康なシルエットがひそかにランウェイへと戻りつつあるのが現状です。

アン・ハサウェイがプロデューサーに突きつけた「NO」

この状況に対し、いち早く行動を起こしたのがアン・ハサウェイでした。メリル・ストリープによれば、アンはすぐさまプロデューサー陣の元へ向かい、「私たちの映画のために準備しているファッションショーのシーンでは、細すぎるモデルたちを起用しない」という約束を強硬に取り付けたといいます。「彼女は自分の意見をはっきり言うことを恐れない、誠実な女性です」とメリルは惜しみない賛辞を送りました。
数々の世代に影響を与えるアイコニックな作品だからこそ、病的な体型を「美」として助長するような映像は残さない。彼女のこの毅然とした行動は、再び古い美の基準に飲み込まれそうになっているファッション業界に対し、極めて力強いエンパワーメントのメッセージを放っています。

法律でも止められない? フランスが抱える「痩せすぎ」のジレンマ

実はフランスでは、この「過度な痩せすぎモデル」の問題に対処するため、世界に先駆けて2015年に法律が可決され、2017年に施行されています。ランウェイや写真撮影に参加するすべてのモデルに対し、産業医による健康診断書の提出を義務付け、体格指数(BMI)が「中程度の痩せ」や「重度の痩せ」を下回らないことを証明させるという、非常に画期的な法案でした。
しかし、現在この法律が完璧に機能しているかというと、一つの大きな抜け穴が存在します。それは「証明書は少なくとも2年前のものであれば有効」とされている点です。わずか数カ月で体型が激変する厳しい業界において、2年前のデータでは実際の健康状態を検証することは不可能です。

さらに、すべてのモデルがフランス国内の給与所得者ではないため、特に海外から来るモデルに対しては産業保健の管轄外となり、法規制の網の目をすり抜けてしまう実態があります。法律や規制だけでは、人々の根底にある「細い=美しい」という強迫観念を完全に払拭することは難しい。メリルとアンの指摘は、図らずもその事実を浮き彫りにしました。

ストイックさと心地よさの共存。フランス人女性のリアルな体型管理

では、フランスの女性たちは自身の体型に対して無頓着なのかというと、決してそうではありません。むしろ彼女たちは、自身のシルエットに対して非常に真剣で、ある意味で「ストイック」なまでの審美眼を持っています。しかし、そのストイックさのベクトルが、極端な食事制限や「体重計の数字を減らすこと」には向いていないのが、最大のポイントです。
彼女たちが追い求めるのは、病的な細さではなく、美味しい食事やワインを心から楽しみながらも、日常の動きの中でしなやかな筋肉を保つ「生命力に溢れたシルエット」なのです。「我慢ばかりの過酷なダイエット」は美しくないと、情報の波に流されず自分自身の体質やライフスタイルを熟知し、心地よい範囲で運動を日常に溶け込ませる。これこそが、大人の女性が身につけるべき真のウェルビーイング(ビヤンネートル)と言えます。

完璧な数字より「しなやかなシルエット」を。大人のためのビヤンネートルなボディメイク術

アン・ハサウェイが守り抜こうとした健康的な美しさに敬意を表し、私たちも日常の中で無理なく実践できる、フランス流のストイックで心地よいボディメイクのTIPSを3つご紹介します。

1. 日常の動作を「見えないワークアウト」にすり替える
ジムで過酷なトレーニングをする時間を捻出できなくても、悲観する必要はありません。フランスの女性たちは、地下鉄のエスカレーターを無視してあえて階段を一段飛ばしで駆け上がったり、通勤や買い物の時間を「姿勢を正した早歩きの有酸素運動」にすり替えたりするのが非常に上手です。また、パリの地下鉄で歩く人たちは、東京の人たち以上に足早な印象。日常のあらゆる移動を「美への投資時間」と捉え直すだけで、体幹は確実に鍛えられます。

2. 「食べない」ではなく上質なものを適量楽しむメリハリ
食事を抜くことは代謝を落とし、肌のツヤを奪う最も危険な行為です。食を愛するフランス人は、夜に友人たちと豊かなディナーとワインを楽しむと決めたら、その日のランチや翌日の食事は、新鮮な野菜や良質なタンパク質を中心とした軽やかなものへシフトし、数日単位で総カロリーのバランスを調整します。食べる罪悪感を手放し、引き算の食事を賢く挟むことが長期的な美しさの秘訣です。

3. 体重計の数字より、鏡の中の肌のツヤと活力を信じる
体重計の数百グラムの増減に一喜一憂するのを今日からやめてみましょう。数字は単なる重さの指標にすぎません。それよりも、毎朝鏡を見たときに「肌にツヤがあるか」「表情に活力があるか」「お気に入りの服の肩のラインやウエストが美しく収まっているか」という、自分自身の感覚(オーセンティシティ)を一番の判断基準に据えてください。

自身の輪郭を愛する勇気があなたを一番輝かせる

映画のスクリーンの中で輝くスターたちも、私たちと同じように、年齢を重ね、変化していく自身の体と向き合いながら生きています。極端な痩身や画一的な美の基準に縛られることなく、「今日の私が一番心地よく、健やかであること」を最優先に選ぶ勇気。アン・ハサウェイがハリウッドの中心で示したその確固たる態度は、私たち自身の日常をも力強く肯定してくれています。
5月に公開される映画の華やかなファッションを楽しみながら、ぜひご自身の「心地よいシルエット」を育む、ビヤンネートルな時間を見つめ直してみてください。


日仏ビヤンネートル協会では、時代とともに移り変わるトレンドを大人の教養として読み解き、情報に流されることなく「自分軸の美しさ」を育むためのメソッドをご提案しております。極端なダイエットを手放し、一生ものの健康的なライフスタイルを身につける企業様向けのウェルビーイング研修や、伴走型のプログラムもご用意しております。お気軽にお問い合わせくださいませ。

ニュースレターの登録


フランスの最新情報や協会プログラムの先行案内などを月1〜2回程度お届けします。

ご登録いただいた情報は、ニュースレターの配信にのみ使用いたします。情報の取り扱いについての詳細は、プライバシーポリシーをご確認ください。

関連記事