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無防備な心身を優しく包む。フランス流「ビヤンネートル」な寝具の選び方と睡眠美学

3月13日の「世界睡眠デー」に寄せて、日仏ビヤンネートル協会がお届けする睡眠のトピックス。後編となる今回は、ベッド文化が深く根付くフランスの人々が、いかにして「睡眠環境」に情熱を注いでいるかについてお話しします。

良質なベッドマットにはこだわるけれど、シーツやカバーなどの「寝具」にはあまり頓着していない……という方は意外と多いかもしれません。しかしフランスの人々は、ベッドリネンや枕カバー、パジャマといった「自分の素肌に直接触れるもの」に対して、並々ならぬこだわりと審美眼を持っています。

眠っているときこそ人は最も無防備になる

平均睡眠時間が8〜9時間と世界的にも長いフランスにおいて、ベッドルームは人生の膨大な時間を過ごす最も大切なサンクチュアリ(聖域)です。近年、彼らの寝具選びの基準は、単なるデザイン性や寝心地の良さから、「環境に優しいか」「動物に配慮しているか」というエシカルな視点へと大きく進化しています。

その背景にあるのは、「眠っているときこそ、人は健康に対しても環境に対しても完全に無防備になっている」という切実な気づきです。

従来の寝具の中には、合成繊維や化学薬品が多く使われているものもあり、それが肌への負担となったり、目に見えない揮発性物質が呼吸と共に体内へ入るリスクが指摘されています。また、ダウン(羽毛)を採取する過程での動物福祉に胸を痛める人も増えました。「深いリラックスを求める空間で、地球や誰かを犠牲にした素材に包まれていては、本当の意味で心地よく眠ることはできない」。そんなシビアで美しい美意識が、今のフランスには流れています。

睡眠の質を高めるビヤンネートルな3つのTIPS

では、私たちが今夜から取り入れられる「心地よい睡眠環境づくり」のヒントをご紹介しましょう。

1. 肌と地球に寄り添う「天然素材」へのシフト
まずは、直接肌に触れるシーツやカバーを、オーガニックコットンやリネンに変えてみてください。吸湿性・放湿性に優れた天然素材は、一晩中かき続ける寝汗を快適に逃がしてくれます。最近では、動物性のダウンの代わりに「カポック」という植物繊維や、天然のラテックス、ココナッツ繊維などを用いたエコロジカルな寝具も日本で手に入るようになりました。

2. パジャマから始まる「自分らしさ」の演出
寝具だけでなく、パジャマやルームウェアにこだわるのもフランス流です。肌触りの良い綿100%や、しっとりとしたシルク。お気に入りの美しい柄のウェアを纏うことは、入眠への素晴らしい儀式になります。「誰にも見られない時間」にこそ、自分らしさを演出し、最高の手触りを与えてあげること。それが自己肯定感をそっと引き上げてくれます。

3. 良いものを慈しみメンテナンスしながら長く愛す
環境に配慮するとは、常に新しいエコ製品を買い続けることではありません。例えば、長く愛用している羽毛布団があるなら、安易に買い替えるのではなく、定期的なクリーニングや打ち直し(リペア)のメンテナンスを行う。上質なものは、手入れをすれば10年、20年と使い続けることができます。ひとつのものを慈しみながら共に年月を重ねることも、立派なサステナビリティです。

眠る空間を整えることは、人生の質を整えること

フランスの人々は、マットレスや寝具を選ぶ際、実際に何度も寝転んで感触を確かめ、店員と素材の産地についてじっくりと語り合います。そして、季節やインテリアに合わせてリネンの色をコーディネートする時間を心から楽しみます。

毎晩繰り返される「眠る」という行為。その空間を少しだけ見直し、小さな工夫を取り入れることは、日中の大きな豊かさと「ビヤンネートル」へ直結しています。

ご自身のリラックスした心身を一番優しく包み込んでくれるものは何か。ぜひ、楽しみながら見つけてみてください。


※日仏ビヤンネートル協会では、フランスのエスプリを通じて、日本の女性たちのライフスタイルに「自分軸の美しさ」を取り入れるためのメソッドを発信しております。睡眠環境の整え方や、心と体を心地よく保つウェルビーイングをテーマとした、企業様向けの各種講演・セミナーのご依頼も承っております。お気軽にお問い合わせくださいませ。

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