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肌と心を満たす「ソバーキュリアス」という選択。フランス人に学ぶ、お酒との美しい付き合い方

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心と体を心地よく、美しい状態へと導くフランス式ライフスタイル「ビヤンネートル(Bien-être)」。今回は、私たちの日常に深く根付いている「アルコール」と、心身や肌との関係性について、最新のグローバルな価値観を交えながら深掘りしていきたいと思います。

若い世代で加速する「お酒を飲まない」という新しいスタンダード

近年、欧米をはじめとする世界中であえてアルコールを飲まない、あるいは極力控える「ソバーキュリアス(Sober Curious)」というライフスタイルが大きなムーブメントとなっています。データにもその傾向は顕著に表れており、18~24歳の若い世代で「全くお酒を飲まない」という人の割合は、2017年の14%から2021年には21%にまで上昇。およそ10人のうち3人がアルコールを口にしないという、かつてない大きなパラダイムシフトが起きています。この背景にあるのが、グローバルな健康とメンタルヘルスへの意識の高まりです。かつては「適量のお酒(赤ワインなど)は体に良い」という説も広く信じられていましたが、2023年1月、WHO(世界保健機関)が「どの程度の量であっても、アルコール消費に安全なレベルはない」という明確な見解を示したことで、人々の認識は決定的に変化しました。

アルコールが心と肌に与える知られざるダメージ

私たちがアルコールとの距離を見直すべき理由は、身体的な健康面だけではありません。お酒を飲むと一時的なリラックス効果や気分の高揚を感じますが、実はアルコールには神経伝達物質のバランスを崩す「うつのような作用」があることが指摘されています。週末に楽しく飲んだはずなのに翌日から数日間にわたって理由のない不安感やメンタルの落ち込み(ハングザイエティ=二日酔いによる不安)を感じる。この精神的なダメージに気づき、「楽しい飲み会の代償が大きすぎる」と判断する大人が増えているのです。

そして、美容の観点からもアルコールが肌に与える影響は見過ごせません。
アルコールによる強い利尿作用は体内の水分を奪い、肌の深刻な乾燥とくすみを引き起こします。さらに、大量の飲酒はヒスタミンの放出や血管の拡張を促すため顔の赤みが慢性化したり、最悪の場合は毛細血管が切れて肌表面に定着してしまうリスクも孕んでいます。「カクテルが好きだけれど最近肌荒れが気になる」という方は、アルコールそのものに加え、甘いお酒にたっぷりと含まれる砂糖やシロップ、着色料が「糖化(肌の黄ぐすみやたるみの原因)」を加速させている可能性も疑ってみる必要があります。

ボディメイクの観点からも要注意
さらに見落とされがちなのが、食欲への影響です。アルコールには食欲のリミッターを外してしまう作用があり、飲んだ後についラーメンやジャンクフードに手が伸びてしまう(日本ではラーメン、フランスではケバブがその定番)という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。こうした「飲み会後の食欲暴走」は、ボディメイクの観点からも無視できない落とし穴です。

お酒と心地よく付き合う、ビヤンネートルな3つのTIPS

とはいえ、人生からアルコールを完全に排除し、ストイックになりすぎる必要もありません。大切なのは「何となく飲む」ことをやめ、主導権を自分の手に取り戻すことです。大人の女性が無理なく実践できる、心地よい付き合い方のTIPSをご紹介します。

1. 「習慣化」を手放し、環境を引き算する
ある研究では、1週間のアルコール摂取目安はビール缶で8本、ワイングラスで6杯程度とも言われていますが、これは体質により異なります。最も確実なコントロール法は、「日々のルーティンに組み込まない」こと。
常に完璧な自制心を保ち続けるのは、誰にとっても至難の業です。だからこそおすすめしたいのが、手軽な缶チューハイや中毒性が高いとされるストロング缶をあえて自宅に常備しない「引き算の環境づくり」です。仕事終わりや食後のルーティンとして無意識にグラスを傾ける習慣を一度手放し、その代わり月に数回、気の置けない友人たちと上質なお酒を心から味わう特別な時間へとシフトする。メリハリをつけることで、お酒との付き合い方はより豊かで心地よいものへと変わっていきます。

2. カクテルよりも透明な蒸留酒を賢く選ぶ
お酒を飲む際は、糖分や添加物が多く含まれる甘いお酒を避け、ウォッカやジンのような「透明な蒸留酒(スピリッツ)」を選ぶのが、肌への負担を減らす賢い選択です。そして、お酒を飲む合間には必ず同量以上のお水を飲み、脱水を防ぐことを決して忘れないでください。

3. 飲んだ夜こそ抗酸化スキンケアを徹底する
楽しく飲んで帰宅した夜は、メイクを落とすのが億劫になりがちです。しかし、アルコールによる酸化ストレスと乾燥に晒された肌を放置するのは非常に危険です。クレンジング後は、ヒアルロン酸やグリセリンで水分をたっぷりと補給し、赤みや炎症を鎮めるナイアシンアミド、そして酸化と戦うビタミンCなどの抗酸化成分を取り入れること。このひと手間で、翌朝の肌のコンディションは劇的に変わります。

4. 華やかに進化するノンアルコールを日常の選択肢に
近年は、ノンアルコールのスパークリングワインやカクテルが驚くほどの進化を遂げています。たとえば、フランス産のシャルドネを使用した本格的なノンアルコールスパークリングワイン(『ピエール・ゼロ』など)は、Amazon等で1,500円前後で手に入り、お祝いの席やディナーでも十分な満足感を与えてくれます。あえて飲まない日を美しく演出するアイテムとして、ぜひご自宅に常備してみてください。

飲む人も飲まない人も美しい。自分軸で選ぶ大人の嗜み

フランス人はワインが織りなす文化や料理とのマリアージュを深く愛しています。そして豊かな食文化に恵まれた日本人も、恐らくその心は同じでしょう。美味しいお酒の席がもたらすストーリーやコミュニケーションの素晴らしさは、人生の大きな醍醐味です。しかし年齢を重ねるにつれ、無茶な飲み方をすれば翌日の肌や体力に如実に響くことを実感しています。「もう少し飲みたい」という余韻を残したところでグラスを置く。実際、フランス人=ワインのイメージがありますが、彼らはワインを飲むよりも一緒に過ごす人との会話に夢中になり、アルコールをあまり飲んでないことがほとんどです。その潔さこそが、これからの時代に合った大人の嗜みではないでしょうか。かつてのような「とりあえずビールで乾杯」「飲めないのは付き合いが悪い」という同調圧力は過去のものとなり、今は自分のペースや体調に合わせて「私は飲みません」「今日は一杯だけ」と自由に選べる、素晴らしい時代になりました。

お肌のコンディションを慈しみ、心と体の健康を最優先にしながら、お酒を楽しむ時は心から楽しむ。飲む人も、飲まない人も、それぞれのスタイルが美しく尊重される世界で、あなた自身の「心地よい選択」をこれからも大切に育んでください。


日仏ビヤンネートル協会では、フランスのエスプリを通じて、日本の女性に「引き算の美学」に基づく美しさと健やかさのメソッドを発信しております。美容ケアにとどまらず、フランス人女性ならではの「年齢を重ねるほどに美しくなる」美意識とライフスタイルをテーマとした企業様向けの各種講演・セミナーのご依頼も承っております。お気軽にお問い合わせください。
Text : Nathalie KONISHI/一般社団法人日仏ビヤンネートル協会 代表 ▶︎プロフィール

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