頑張らない、でも諦めない。フランス流「ビヤンネートル」に学ぶ、大人のボディメイクと5つの習慣
心と体を心地よく、美しい状態へと導くフランス式ライフスタイル「ビヤンネートル(Bien-être)」。今回のテーマは、多くの女性が直面する「大人のダイエットとボディメイク」についてです。
ここ数年、私自身も体調の変化やライフステージの移行に伴い、「以前のように体のコントロールが効かなくなった」「昔のように『よし、やるぞ!』とボディメイクのスイッチが入らない」と実感することが増えました。若い頃は、新しい服を素敵に着こなしたい、イベントに向けて綺麗になりたいというモチベーションが自然に湧いてきましたよね。しかし大人になると、仕事や家族、社会的なタスクに追われ、自分のために使う時間や、美しさを磨く気力そのものが少しずつ削られてしまうのが現実です。
さらに、年齢とともに基礎代謝や体質が変化するため、若い頃と同じように食事を制限したりハードな運動をしたりしても、すぐに結果が出にくくなります。モチベーションを保つのが難しく、「あれ、前みたいに簡単には変わらない」と苦戦している方も多いのではないでしょうか。
目次
フランス人に学ぶ「無理なことは手放す」という美学
だからといって、諦める必要はありません。「もっと健康で美しい自分でありたい」と願ったとき、大人にとって最も重要なのは「生活の中に、無理なく健康的な習慣を溶け込ませること」です。短期集中で毎日ジムに通ったり、極端な食事制限をしたりする方法は、大人のライフスタイルには不向きですぐに挫折してしまいます。豊富な知識と経験を持つ大人の女性だからこそ、日常生活のなかに少しずつ、心地よい変化を起こす習慣を組み込んでいく知性が必要です。
この「自分軸のライフスタイル」を最も得意とするのが、フランスの女性たちです。彼女たちは自分の気持ちと体を何よりも大切にするため、「我慢ばかりで辛いこと」や「自分のポリシーに合わないこと」を無理に続けるという選択肢を持ちません。ジムが苦手なら通勤でたくさん歩く。体を動かすのが好きならボクササイズを思い切り楽しむ。心を静めたいからヨガを選ぶ。つまり、「自分にとって何が一番好きで、どうすれば心地よく続けられるのか」を熟知し、それに合わせた方法だけを賢く選んでいるのです。
「自分だけの正解」を見つける5つのチェック項目
ダイエットやボディメイクにおいて「どのような生活習慣が正解か」という問いに対する最終的な答えは、「人それぞれ違う」ということに尽きます。例えば「夜遅くに食べない」のが鉄則とされていても、夕食の時間が遅くなりがちな人は、代わりに朝食を遅めにして空腹時間を長くしたり朝の炭水化物を控えたりと、自分の生活に合わせた工夫が必要です。
では、自分に合った一生ものの健康習慣を編み出すために、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。私は、以下の5つの項目をバランス良く見直すことが鍵だと考えています。
食事・運動・睡眠・インナーケア・ストレスケア
どれか一つが欠けてもバランスが崩れてしまいます。まずはこれらの項目において、「自分にはどうしても変えられないことや苦手なこと」を確認しましょう。次に、それを「どうカバーするのか」、あるいは「元々好きな習慣でどう強化するか」を見つけていきましょう。一方で、「どうカバーするか」を考えないことには一生自分を変えることができないのも事実です。過去の記事で「エフォートレス、つまり頑張りすぎていないように見えるフランス人はとてもストイックでシビア」とお伝えしましたが、彼女たちはまさにこの「自分への見極めとカバーのルール作り」を徹底して行っているのです。
体重の数値よりもホルモンの波と寄り添う
具体的なアクションに入る前に、大切な心構えをお伝えします。それは「体重の数値に過度にフォーカスしない」ということです。
大人世代が体重を落とす目安は、1ヶ月に1〜2キロ、多くても3キロまでが理想です。急激な減量は体が対応しきれず、代謝の低下や筋肉の減少、そしてのちに大きなストレスを引き起こします。
特に女性は、1ヶ月のホルモンサイクルによって体重が減りやすい時期、減りにくい時期、食欲が増す時期があります。このバイオリズムを理解せず、短期間の数値の変動に一喜一憂することは、フラストレーションの原因になります。さらにお伝えすると生理前後の体調も人ぞれぞれですので、自身の傾向と対策を知る必要があります。「今の自分はこういう時期なのだ」と波を受け入れ、上手に付き合っていくことこそが長期的な美しさへの近道です。
日常を少しずつ整える。5つの項目別・具体的なTIPS
最初の1ヶ月は、いきなり生活を劇的に変えるのではなく、日常に潜む「不健康な習慣」に気づき、それを「好きで続けられる習慣」へと少しずつ置き換えていく期間にしましょう。
1. 食事:できないことを責めずどうカバーするかを考える
ボディメイクは「食事9割、運動1割」とも言われますが、食べる楽しみを急にすべて奪うのは現実的ではありません。「どうしても手放したくない習慣」を2つだけ残し、それ以外の部分でどうカバーするかを考えます。
例えば、全体の食事量を減らしたくないのならタンパク質と野菜の割合を増やし、炭水化物を少しだけ引き算する。職場で甘いものを食べるのが唯一の癒しなら、自宅や週末はスイーツを控える。アルコールを楽しむ日は、必ず同量以上の常温の水や白湯を一緒に飲む。また、朝食後の甘いカフェラテや自宅で無意識に口にしているお菓子など、日常に潜む「ちりつもカロリー」を一度ノートに書き出して可視化してみるのも有効です。できないことを責めるのではなく賢くカバーする視点を持つだけで、食卓はもっと自由になります。
2. 運動:生活の動線に“好き”を組み込む
運動もまた、嫌いなことは決して続きません。ご自身の性格とライフスタイルに合った頻度とスタイルを見つけることが最優先です。
ジム通いや自宅での筋トレが苦手なら、「週に5日は早歩きで8,000歩以上歩く」と決め、日常の移動そのものをエクササイズに変えてしまう。人と一緒に体を動かすのが好きな方であれば、オンラインのフィットネスレッスンや地域のスポーツセンターを活用し、予定として組み込んでしまう。筋肉を使う運動や有酸素運動を、週に2〜3回、無理なく生活の動線に乗せることが成功の秘訣です。
3. 睡眠:見落とされがちな最強のダイエットメソッド
「よく眠れた翌朝は、体重が落ちて顔もスッキリしている」という経験は誰にでもあるはずです。睡眠不足が脂肪の増加や翌日の食欲の暴走を引き起こすことは、科学的にも証明されています。睡眠は、メンタルとパフォーマンス、そして美しさを育む最も重要な源です。ご自身にとってベストな睡眠時間(7〜9時間程度)を把握し、それを日々のスケジュールの中で「最優先事項」としてロックしてください。質の高い睡眠こそが、最も効果的でコストのかからない最強のダイエットメソッドなのです。
4. インナーケア:体の巡りを良くする引き算と足し算
ここではインナーケアを「巡りの良い体づくり」と定義します。サプリメントや健康食品に頼り切るのではなく、足りないものを補い、不要なものを排出する視点を持ちましょう。体を冷やさない工夫をし、腸活のために発酵食品を取り入れる。タンパク質やミネラル不足を感じたら、食事のベースを玄米にしたり、硬水のミネラルウォーターや良質なプロテインを「足し算」する。そして、むくみの原因となる添加物の多い加工食品を少しずつ「引き算」していく。この足し引きのバランスが、軽やかでしなやかな体を作ります。
5. ストレスケア:すべての土台となる“心のお手入れ”
生活習慣を変えること自体が、体にとってはストレスになります。また、日々のストレスは睡眠不足や暴飲暴食の最大の引き金です。つまり、ここまでの4つの項目の土台となるのが「ストレスケア」なのです。いわゆる“やけ食い”をしてしまいそうになったら、すぐにお風呂に入る、フェイスパックをする、美顔器を使う、ゲームをするなど「食事と並行してできない行動」を先回りして行いましょう。また、お気に入りの入浴剤や没入できる映画、読書など、自分一人で完結できるご機嫌スイッチを複数持っておくことも大切です。
最後に、もし日常的なストレスの根本に、仕事や人間関係、お金の不安があるのなら、そこから目を背けずに思い切って環境を変える行動を起こすことも、究極のウェルビーイングだと考えます。変化には少しの勇気が伴いますが、その先にはきっと、もっと軽やかで美しいあなたが待っているはずです。
「私」を軸にした健康法は、一生ものの美しさと財産になる
「これを食べれば確実にやせる!」といった即効性のある情報やマーケティング重視の商品に正解を求めるのではなく、まずは自分自身の心と体、そしてライフスタイルと深く向き合うこと。日々のコンディションを定点観測し、無理なく心地よい習慣を選び取るそのプロセスこそが、トレンドに流されない「一生ものの美容習慣」となってあなたを支えてくれます。どうか自分を追い込まず、フランスの女性たちのように「心地よさ」を最優先にしながら、大人のボディメイクの過程そのものを楽しんでみてください。
日仏ビヤンネートル協会では、フランスのエスプリを通じて、大人の女性が無理なく「自分軸の美しさと健やかさ」を育むためのメソッドを発信しております。表面的なケアにとどまらない、本質的なインナーケアやウェルビーイングをテーマとした企業様向けの各種講演・セミナーのご依頼も承っております。お気軽にお問い合わせください。
Text : Nathalie KONISHI/一般社団法人日仏ビヤンネートル協会 代表 ▶︎プロフィール





























































